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おばけっているの?

おばけっているの?

 

いきなりですが、お化けっていると思いますか?

テレビなんかでも幽霊を見た体験談などが放送されることがありますね。

私も小学生の時に怖い映画を見て眠れなくなったことがあります。

でも、お化けや幽霊は本当にいるのでしょうか?

 

ちょっと話を変えます。仏教では私たちの見えているものはすべて本当のことではないという風に考えています。変なことを言っているように聞こえるかもしれませんが実際それは私たちの生活の中でよくあることです。

 

みなさん学校では「青信号になったら横断歩道を渡りましょう」と言われませんでしたか?でも青信号って本当に青に見えますか?人によっては緑っぽく見えたり、青にみえたりと、青信号という名前がついていても、見える色の感覚はちがうはずです。

 

もうひとつ例をだしてみましょう。「クマ」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

強そうと思う人、怖いと思う人、またかわいいと思う人、もしかしたらおいしそうなんて思う人もいるかもしれません。実際に動物園でクマを見ても人によって色々な感じ方ができると思います。

 

青信号もクマも確かにそこにあるものは同じですが、人によって見え方が違います。それは、一人ひとりの心が違うからです。私たちが何かものを見るとき、私たちの心は見たものにイメージを加えたり、書き換えたりしてものごとを見ています。それは、見えるものだけでなく、音や臭い、肌で感じるものなどにも当てはまります。

 

さて、おばけの話に戻りましょう。青信号とクマの例で、私たち人間は、同じ世界を見ていても、心がイメージを付け足したり、ものごとを書き換えたりしているということをお話ししましたね。お化けが見えるということは、その人の目で見たものに、そのひとの心がお化けという存在を付け足していると考えることができます。心が勝手に付け足したものがお化けなら、それはウソなんじゃないかと思った人もいるかもしれません。でも、クマを見て怖いという感想はウソではありませんよね。心が付け足したり、書き換えたものはその人にとっては真実です。

 

だから、お化けが見えるという人の感覚も真実だし、見えないという人の感覚も真実なんですね。自分が見えないからと言って、みんなが見えないという訳ではないようです。

 

もしかすると、お化けが見える人というのはその人の心が、世界から何かメッセージを受け取りたいという心のはたらきの表れなのかもしれませんね。わかないものや、知らないものは怖いと感じるのが普通なので、お化けは怖いと思うかもしれませんが、それも全部私たちの心のはたらきです。もし、お化けを見つけたら、自分の心が世界からなにかメッセージを受け取っているんだ、と思えたらお化けもすてきなものに感じるかもしれませんね。

 

【考えてみよう】

・青信号の例のように、人によって見え方がちがうものを探してみよう。

・自分が正しいと思っていても他の人にはそうでないことを探してみよう。