死んじゃうって怖いこと?
自分の命がなくなることを考えると、だれでも怖くなってしまいますよね。
それは私たち人間にとって、とても自然なことです。
死んでしまったら、楽しいことも体験できなくなってしまいますし、大切な人とも会うことができなくなってしまいます。だから、死んでしまうことは皆怖いと思ったり、嫌だと思ったりするわけです。
漫画や映画の中でしかありえませんが、もし永遠の命を手に入れたらどうでしょうか?
永遠の命があれば、死んでしまうこともないし、今ある生活を失わなくてすみます。
でも、永遠の命があれば良いかというとそうでもない、と私は考えています。
みなさん毎日同じことの繰り返しで退屈だなあと思ったことはありませんか?
私も学生のころを振り返ってみると、入学した時の新鮮な気持ちがなくなったころから、学校って面倒だなあとか、退屈だなあとか感じていました。
楽しいことも確かにいっぱいあるのだけれど、なんとなく慣れた生活が新鮮に感じられなくなり、一日一日が大切なものだと感じなくなってしまうんですよね。
でも、卒業が近づいてくると、今までの生活が終わってしまうのが寂しい、友達と別れたくない、と思うようになり、のこされた一日一日がとても大切なものに感じられました。
私が学生だったのは、もう何十年も前のことですが、今振り返っても学生の頃の一日一日というのはかけがえのないものだったと感じます。嫌なこともあるかもしれません。でも、それも含めて大切な思い出です。
何が言いたいのかというと、終わりがあるから一日一日が輝いて感じるということです。
終わりを意識しない小学3・4年生、中学2年生と、終わりが近づく小学6年生・中学3年生では一日の感じ方が少し変わってくると思うんですね。
春に桜が咲くと、多くの人がいっせいにお花見をしに行きます。
でも桜の花が一年中咲いていたらどうでしょう。たぶん、桜の花を見る人は今よりずっと減ると思います。
桜や虹のように限られた時間のなかで、パッと周りを明るくする存在だからみんなに愛され、大切に感じるのではないでしょうか?
私たちの命もおなじです。
長い歴史の中で見たら私たちの人生なんて、ほんの一瞬のようなものです。
短い間に咲く桜の花のように、私たちの命も短いものです。
だからこそ、一日一日が大切だと思えるし、そのなかで一生懸命生きたいと思うのです。
永遠の命を手に入れたら、楽しいことも、美味しいものも、みんないつか飽きてしまうでしょう。一度きりの命だからこそ、楽しいことも辛いことも、感じることができるのではないでしょうか?
死んでしまうことは、やっぱり誰でも怖いです。
でも、そういうことを考えることで、一日一日や周りにいる人たちの大切さを感じることができるのだと思います。そう思えるようになると、周りの人にいつもより感謝できたり、ものごとを頑張れるようにもなれたりします。何しろ一回しかない今日を生きているのですから。そういった意味で考えると、「死」というのは怖いけれど、私たちの命に輝きを与えてくれているとも考えることができますね。
【考えてみよう】
・退屈だと思っているけど本当はすごく大切な時間が自分の生活の中にあるか探してみよう。