なぜ善いことをするの?
悪いことをしてはいけない、良いことをしましょう。
幼稚園でも、小学校でも先生に教わってきたのではないでしょうか?
教わらなくても、そんなことは毎日の生活の中で当たり前になっていて、「もう分かっているよ」という人がほとんどだと思います。
でも、なぜ悪いことはしてはいけなくて、良いことをしなくてはいけないのでしょうか?
日本で一番大本になっているきまり、憲法でもそれは言われています。
自分でしたいことは何でも自由にできるけど、ほかの人の自由を邪魔するようなことはしてはいけないよ。というようなことが憲法で決められているのです。
欲しいものがあるからいって、人から奪ってしまったら、取られた人の持ちたいという自由が邪魔されてしまいますよね。また、物を取ることをいけないことにしなかったら自分も誰かに物を取られてしまうかもしれません。
そういった考え方で、私たちは自分の自由を守るためにも、人の自由を邪魔してはいけないという決まりが定められています。
仏教での考え方を少し紹介します。
仏教では私たち人間は、皆つながっていると考えています。私たちはたくさんのつながりの中で生きています。みなさんが食べている食事も、誰かが一生懸命作ってくれたものですし、学校に行っても友達がたくさんいます。
私たち人間が一人だけで生きていくというのは、ほとんど無理なことです。
自分の食べ物をすべて材料から準備して、服も自分でつくり、どんなつらいこと楽しいことがあっても周りに話す人がいない・・そんな状況はとうてい考えらえませんね。
私たちがつながりの中で生きているというのは理解できたと思います。そのつながりの集団で私たちが幸せに暮らしていくには、その集団を住みやすいものにしていかなければなりません。自分がやさしい気持ちになって、ほかの人と接すると、その人もやさしい気持ちになって自分にも返してくれる。それが私たちの住みやすい社会につながってきます。
良いことをするというのは、他人に対してすることだと思われるかもしれませんが、実は自分のためでもあるのです。みんながみんなそういう考え方をしてくれたら、私たちの生活はとても豊かで暮らしやすいものになりますね。でも実際には、自分がちゃんと良いことをしていても、周りに悪いことをしている人がいたり、自分に対して嫌なことをされたりすることがたくさんあります。
仏教を開いたお釈迦様は、周りの出来事は変えることはできないけれど自分は変わることができる、と言っています。嫌なことがあったり、されたりしても、負けず良いことをしていれば、社会がよくなり、いつかは、そういう悪いことをする人も少なくなっていくということです。それにはかなりの時間がかかります。負けそうになったときは、周りにいる自分にとってやさしい人を頼りましょう。そうすれば、また頑張ろうという気持ちが起きてきます。その繰り返しで世界をよくしていこう、という考えが仏教の考え方です。
【考えてみよう】
・昨日自分がした良いことを思い出してみよう。
・友達から嫌なことをされたらどうしますか。
・自分が辛いとき頼れるのは誰か考えてみよう。